映画『バトル・ロワイアル』 強く生きるということ

 本日は映画『バトル・ロワイアル』について語らせていただきたいと思います。かつて数々の名作を生み出した深作欣二監督によるバイオレンス映画です。この作品は中学生を孤島に集め、殺し合いをさせるという、邦画にしてはとてつもなくショッキングな映画です。2000年に公開された当時、青少年による犯罪が多発していたことや、その過激な描写から政治家のお偉いさんが「こんなものは子供に見せるな!」と激怒し、メディアを賑わせるとともに、R15と言う制限付きで公開に踏み切ったそうす。この監督対政治家の報道が話題になり、奇しくも映画は大ヒットを記録します。

 出演の応募者数、その数なんと6000人。そこから42人に絞られたそうです。その当時はまだ無名に近かった藤原達也(今作が現在のバイオレンス役の走りです)、柴咲コウ栗山千明などが顔を揃えており、今作が彼らの出世作になっています。また教師役には、ビートたけしが出演しており、独特の不気味さと味を出しており、さすが名俳優、名監督と言う感じです・・・

 僕がこの映画を見たのは13歳ぐらいの時で、映画なんてまだ何も知らなかった当時、その強烈なインパクトからトラウマ映画になってしまいました・・・

 しかし、今大人になって見ると、この映画が伝えたかったこと、今は亡き深作監督がこの映画に残したものが徐々に分かってきたかなと感じます。

 もし今の日本が、北のあの国のように狂気の思想に走ってしまったら。身勝手な大人たちに未来をうばわれた子供達。今作が描く世界は、フィクションの話ではなく、かつての戦争で死んでいった友人たちの死体を拾っていたと言う監督の原体験からきているものであり、その当時の国家への憎しみや大人への不信を持った体験がベースになっていると言います。

 『バトル・ロワイアル』という映画は、単純にバイオレンスを映画的に強調したいのではなく、もし近い未来、日本がかつての時代に戻った時に、青年たちはどう感じ、どう生きていくのかを今作を通して描き、日本を作り出している大人達に、子供達の本質的な強さを深作監督は気づいて欲しかったんだと僕は思います。

 現在の平和な日本においては、強く生きるという言葉があまり心に響かなくなったかもしれません。いじめやストレスなどですぐに自殺をしてしまう人たちが後を絶ちません。でも少しでも、今日という日がかけがえのないものであることに気づいて欲しい。今作の子供達のように、たった今世界中のどこかにも次の日を生きられない人がいるのだから。

 

バトル・ロワイアル(予告編)

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